ユウトの標本箱

ユウトの自然ブログです。昆虫や植物、自然のことばっかり書いていきます。

冬だ! オサ掘りだ! 初心者のためにオサ掘りのコツを伝授!

どうも、ユウトです~。

 

季節は夏が過ぎ、秋も暮れ、やってくるのは寒い冬。

冬になると、昆虫たちは姿を消し、外は静かなものになります。

 

「昆虫採集はもうできないなあ」

そう思われがちですが。

 

実は昆虫採集は冬にもできます。

いや、むしろ冬だからこそできる昆虫採集がある。

 

それが、オサ掘りです。

 

 

オサ掘りとは?

オサ掘りとは、オサムシを掘ることです。名前のまんま(笑)

 

もう少し詳しく言うと、冬になって土や木の中で冬眠しているオサムシを掘り出して捕まえる採集方法のことです。

 

オサムシは冬になったら死ぬ昆虫ではなく、冬眠をする昆虫です。

 

ですので昆虫が採れなくなる冬において採集が可能な数少ない昆虫になります。

 

 

 

オサ掘りに必要な道具

夏などに行う昆虫採集の場合、必要な道具は虫捕り網(補虫網)なんかです。

 

しかしオサ掘りでは、虫網をもっていても全く役にたたない。

 

土とか気の中にいる彼らをどうやって網で捕まえられようか、いや捕まえられない(反語)。

 

じゃあ何が必要になるかというと、それがこれ。

 

 

 

 

GARDEN FRIENDS 片手鍬 巾広 390mm

GARDEN FRIENDS 片手鍬 巾広 390mm

 

 

 

片手ぐわです。

 

これを使い、オサムシのいそうな崖や倒木なんかを崩していきます。

 

あとはてが汚れたり傷つかないように手袋やオサムシを入れる入れ物などありますが、片手ぐわは必ず必要です。

オサ掘りしたいなら絶対入手しましょう。

 

個人的には、片手ぐわの中でも

 

 

 

大五郎 ステン片手鍬 イカ型

大五郎 ステン片手鍬 イカ型

 

 

こういう、両側に普通の刃とフォークみたいな刃がついているくわがオススメ。

 

普通の刃は土壁とかを崩すときに、フォークの刃は倒木の樹皮を引っぺがすときに使えます。

 

 

 

オサ掘りのコツ

オサ掘り初心者にとってまず最初に困るのが、

「どこを掘ればいいのか分からないよお」という悩み。

 

ボクも最初は苦労しました。

というか、それなりに慣れた今でもちょっと悩むこともあります。

オサムシの種類ごとに冬眠する場所が違ったりするので。

 

 

①崖の掘りポイント

基本的に、オサムシは崖があったらその一番上、草の根っこが絡んでいそうな、乾燥しなさそうな場所に冬眠します。

 

カサカサに乾燥した場所や、崖の真ん中とかには冬眠してません。

 

乾燥している場所に冬眠しないのは、きっと乾いて死んじゃうから。

崖の真ん中はモグラとか天敵が来るかもしれないので、食べられないように。

こんな理由があるんでしょうが、詳しくは不明です。

しかしとにかく、冬眠はしないのです。

 

まずオサ掘りをするときは、「草のねっこが絡んでいて乾かなさそうな土」のあるところを探してみましょう。

 

 

②枯れ木の掘りポイント

枯れ木にもオサムシは冬眠します。クロナガオサムシとか、マイマイカブリとか。

 

枯れ木を掘るときは、まずその倒木の材質を見ます。

  • 樹は乾燥していないか?
  • ある程度腐り、くわで簡単に崩せるくらいに柔らかいか?
  • コケなんかが絡まりすぎて、内部は草とかの根っこだらけになっていないか?

ボクが見るのは大体この辺りです。

 

まず、乾燥した樹には冬眠しません。理由はさっきと同じです。

 

また、オサムシは樹を掘り進めるような体の形や牙なんかを持ってはいません。

したがって、

「自分の力でも潜り込むことができるような、柔らかい材質の樹」

に入って冬眠をするわけです。

 

なので掘るときに選ぶべき樹は、

ある程度柔らかくて湿ったものである必要があります。

 

しかし、湿りすぎてコケまみれな樹は反対に冬眠をしないような印象です。

くわを樹に入れてみて、樹の中に根っこなんかがかなり入り込んでいるものには

いた試しがありません。

 

また、枯れ木のある場所も重要です。

個人的に思ういそうなポイントとしては、

 

  • 地面に接していない、宙に浮かんだ枯れ木の部分。
  • 枝分かれしている部分の、分かれ部分。

 

この2つがあります。

 

地面に接していなければ、天敵のモグラに食べられなくてすみますし、また水没もしにくいはずです。

枝分かれ部分に関しては、これはどうしてなのかは分かりませんが、いることが多いです。乾燥しにくいんでしょうか?

 

 

③根返りした倒木の掘りポイント

根返りした(根っこごと倒れた)倒木も、実はかなりの掘りポイントです。

 

根返りした倒木は、①と②がミックスした場所。2つの場所の掘りポイントを両方見ながら掘るといいです。

 

オサムシたちが冬眠したくなるような場所というのは案外少なく、彼らにとって根返りした倒木は絶好の冬眠ポイントです。

 

いい場所を見つけたら、結構な数のオサムシを得ることができますよ。

 

根返りの倒木を選ぶときは、「しっかり根っこに土が残っている倒木」を選びましょうね。

 

 

 

 

番外編

これらに当てはまらないオサムシも中にはいます。代表的なのはセアカオサムシです。

 

 

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参考元:http://daisetsuzan.sakura.ne.jp/kitoushi/animal/seakaosamushi.html

 

このオサムシは、厚いコケの下で冬眠をします。

なのでこのオサムシを探すときは「厚めのコケ」をひっくり返しながら探します。

 

 

 

宝探しみたいなオサ掘りをやってみよう

 

オサ掘りは、ボク的には「宝探し」みたいでとてもおもしろいです。

 

いそうな場所を、くわを使って掘り探す。まさに宝探しです。

 

 

また、オサ掘りをしているとオサムシ以外にも昆虫が採れることもあります。

 

コクワガタヒラタクワガタはその一つ。季節外れのクワガタに、ちょっと嬉しくなるかも。

 

ときたまスズメバチなんかが出てくることも。冬眠中なので動きは鈍いですが、触っていると刺される注意を。

 

 

自分でオサムシを掘り出した時の嬉しさはひとしお。寒くなってきたら、ぜひともオサ掘りを挑戦してみてくださいね。

 

 

ということで、今回はここまで。

終わり!